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競売以外
競売の「人生いろいろ」 
  

目次(タイトルをクリックして下さい。)
@、自宅が競売になっ た時の妻の行動のいろいろ・・
A、競売不動産の所有者で、感動した人々のいろいろ・・・
B、競売に参加して、トラブッた人達・・・
@、自宅が競売になっ た時の妻の行動のいろいろ・・
この中の誰が幸せを掴むのでしょう?
F
婦人
玄関先で、
『あら、今から仕事なのよ。すみませんねー。』
競売なんてどこの話、というような明るい感じ。
思わず、
『奥さん、明るいですねー。』
『エツ、そんな事ないわ。
突然主人からこの話(自宅競売の件)を聞かされた時は、泣くだけ泣いたわよ。
こんな事になってるなんて一言もきいてなかったもの。
涙があとからあとからでて、止まらなかったわ。
人間の体の大半が水分でできてるって本当よ。
これ(自宅競売)で離婚する夫婦って多いんですってね。私には考えられないわ。
家を無くして、信用もなくして、せめてダンナ位そばに置いとかなくっちゃあ寂しいわ。
まじめに仕事やってての結果だもの、仕方ない。
・・・。
あらやだ、遅刻してしまうわ。大丈夫、出るときごねたりしないから。じゃあ、すみませーん。』
自転車に飛び乗ると、サーツと行ってしまいました。
E
婦人
競売物件の調査で、訪問。よく太った中年のご婦人がでてきました。
『そうなのよ。それで困ってるのよ。あんた、どこかお金を貸してくれるとこ、知らない。』

暫く会話。奥から男性の声、『誰が来たんだ。』
するとご婦人は、人差し指を、自分の唇の前にたてて、
『シッ、この事は(主人には)内緒なのよ。今日は、偶々居るけれど。』
私は、早々に退散しました。

ご婦人の指に光っていた大粒の真紅の石が、妙に印象に残っています。
D
婦人
夫が株で大失敗。
『 生活費をもらえなければ、(結婚している)意味がありません。
主人の失敗は、私には関係の無いことですから。』
離婚し、当社の渡した立退料をしっかり持って、サッサと実家 に帰っていきました。

家財もそっくり持っていきました。
結構クールでサバサバしてましたよ。
C
婦人
夫が保証人となった会社が倒産。
『夫の人の良さを利用した人間の為に、夫婦で築いた家庭の幸せを壊されてたまるものですか。』
夫は何も悪 い事はしていません。騙すより騙される方がいいです。
このピンチは夫と二人で乗り切ります。』
明るく軽く言い放ちました。
面談の間、夫は沈思黙考。
そして、筆者の支払った立退料で、夫と古いアパートに移って行きました
。  
B
婦人
夫は、事業に失敗。現在失業中。
『夫はダメ、頼りになりません。』全く、夫に無関心になり、必死 に自分(子供)だけの為に働いている婦人。
『競売で落札さ れたら、できれば立退料を少しでも多く貰って出て行きます。』
面談してる間も、見事な程、夫を無視、というより、心底もう全く意識してい ませんでした。(筆者感想) 
傍らで、夫は正座し、腕を組 んだまま、口をへの字に曲げていま
した。
A
婦人
夫は、事業に失敗して、現在雲隠れ。
偶 に一方的に電話連絡はある、との事。
執行官と催告に言った処、
『私は絶対にここから動きません。どうしても出ろ、と言われたら、灯油をかぶって死んでやるう〜〜〜〜!!!』
声を震わせて泣き叫び、相当の興奮状態でした。
後日、引越料を提示した処、『もう10万出ませんか?早く出ますから。』 ケロッとしていました。 
  
総体的に、こういうピンチ には、とにかく女性は強いです。
一時的には、相当錯乱してパニックになるのが女性です。
然し、パニックを乗り越えた後の女性はすごいですね。
現実を直視して、今生きていく為の行動を実に見事に (本能的に?)選択しています。
迷いません。
ひたすら、生きていきます。
男性は、なかなか、こうはいかないようです。
プライドが、手枷足枷になる場合が多いようです。
だから、ホームレスと自殺者の大半は男性です。

男性の影の全く見えない女性が当事者の場合は、偶に、エッ?という場合があります。
全く何も考えず、強制執行で家財が搬出される光景を見て、やっと事態をさとる方がいます。

A、競売不動産の所有者で、感動した人々のいろいろ                上↑
この所有者達に、心底、『幸あれ!!』、と願ってしまいました。
家をなくしても、大切な人間の心は失わない、素敵な人々の、とても短いお話です。
 
 G氏 落札物件において、所有者の老夫婦と引越し等についての打ち合わせ。
ご婦人は、ご主人の傍らにすわり、ニコニコしています。
私の「建築確認書、ありませんか?」に、
ご主人「買った時の書類全部持って来て。」

約定書を交わす段階で、私の「実印を押して下さい。」に、
ご主人「実印持って来て。」

その都度、ご婦人はサッサと立ち上がって、いきます。
とにかく、これからの生活もご主人についていく、という雰囲気が一杯です。
悲壮感が全く感じられません。
要点の話し合いが終わり、書類を交し合いました。
雑談に移りました。
途中、会話の流れのなかで、
「女房は15年前から目が全く見えないんですよ。」
私は驚きました。ご婦人曰く、
「家の中は分るんですよ。外にでたら、主人が杖がわり。ちょっと離れたらすぐ、呼ぶんですよ、ホホホ。」
楽しそうに話します。
そう語るご婦人を見るご主人の目は、いとおしさに溢れていました。
私、感動しました。
居たんですね、すばらしいご夫婦が、ここに。
このご婦人が引越し準備をするのは、大変だなあ。
すぐ、買受人に電話しました。立退料を10万アップして欲しいと。
即了解して頂きました。
横須賀のご夫婦でした。

「 感動を 金に代えるか 競売屋 貧しき性根の 馬脚表し 」
F氏 一時は、その地域一番の工務店社長。
保証人となり、倒産。自宅競売で、私が代理人となり、落札。
立退きの話し合いで面談。実にさわやか、気持ちよく退去する、という。
倒産した時、下請け業者連中が心配して、「見舞金」¥300万を集めて持参したという。
2日がかりの引越は、下請け業者十数人が手伝いに来ていました。
心と心が通じあっている、「本当の人間の付き合い」を、見せて頂きました。
鍵を落札者に渡す時、設備等について説明をして行きました。
E氏 共有名義の妻が浪費癖の為、 自宅競売。
自宅は、古い貸家のような造りで、相当築年数が経ってい ました。
壊れたガラス窓に、ボール紙と新聞紙を張り、雨を防いでいました。
『お金が無いので、こんな事しかできなくて、申し訳ありま せん。
少しは、雨漏り防止になるでしょう。
(競売で 買った人に)大事に(家を)使って欲しいものですから。』
筆者は、 『この建物はすぐ解体しますので、そんな事しなくてもいいんです。』
とは、何か言えなくなりました。
・・・・保谷市の人でした。
D氏 20年以上前、倒産した超大手商事会社の管理職。
『部下全員の再就職が決まる迄は、アチコチ飛び回りましたよ。
お金?大分使いましたよ。その結果がこれ(競売)です。
でも、部下全員の行く先(会社)は決まりましたので、ホッとしてます。
私?ハハハ、全く考えていませんでした。タクシーにでも乗るかな、やれるかなー。』
家族は、呆れてとっくに家を出て行ったとの事。
立ち退きの日、家の内外は、綺麗に掃除してありました。
・・・・・ 横浜市戸塚区の人でした。
C氏 零細企業の社長・・・たしか印刷業
受け取った手形が不渡りになり、借金を背負う。
自宅競売。
仕事場に、その筋の連中が押しかけて、恫喝。
パート のオバチャン連中は、恐怖で仕事にならず。
社長、腹を括り、その連 中に挑戦。相当の年齢(40才代半ば)でしたが。
『借金を返す為 に、逃げ隠れしないで頑張っているのに、邪魔するのか。
俺も講道館の黒帯だ、庭に出ろ!俺は、今ここで死んでもいいんだ。
白黒つけよう、かかって来い。』
そう怒鳴って、庭に飛び出たそうです。そして、柔道の構えをしたそうです。
兄貴分らしき男が出てきて、
 『分ったよ。まあ、早く返してくれればいいんだよ。悪かったな。頑張れや。』
そして、引き上げました。
筆者は聞 きました。
『その時、恐くなかったですか。』
『気がついたら、膝がガタガタ と暫く震えてましたよ。
手も暫く震えてた。俺もダラシねえよなあ。』
いえ、立派です。貴方も、その兄貴分も。
自宅の競売は、その後、【取下げ】 になりました。
・・・・横浜市の人でした。  
B氏 中小企業の社長 (年齢・60歳前後)・・・業種は忘れましたが、顔は今でもよく覚えています。
『競売にかかった自宅も工場も全て空にしたよ。だから、(競売で)買い易いだろう。
ここは、昔世話 をした人の好意でただで使わして貰っているんだ。
とにかく、会社としては、もう一度太らなくて は。必ず太るよ。
銀行にも言ったんだ。どうせ食べるんなら、太って からにしてくれってね。
今は雛だよ。雛を潰して食べるのと、鶏に なってから、食べるのと、どっちが得か。
逃 げたりは、しない。』
彼の澄んだ瞳は、今も妙に忘れられま せん。
競売にかかった債務者の眼ではなく、希望に燃えた青年の眼で した。
     ・・・・・横浜市港北区の人でした。         
A氏 会社員・・バブル期にマイホーム購入後、リストラで収入大幅ダウン、自宅競売。
サッサと賃貸アパートに転居。
その後、当社関連にてその家を落札。多少残置してあった動産類の引取りを依頼。
引き取らなければ、¥10万で当社が買いましょう、と申し出る。
『どうぞ、(動産類を)処分して下さい。お金は要りません。
不労所得をアテにした結果がこう(競売)です。
汗水たらして働いたお金以外は、一切貰わない事にしました。』
実に明るい声。
提供したお金を辞退した人は、当社始って以来初めて。 
筆者は、何故か、楽しい気分になっていました。
      ・・・・・神奈川県津久井郡の人でした。
      
さわやかな人柄・人間性 は、周りの人もさわやかにするものらしいですね。
            『 人生の過去は予備であり、本舞台は未来にあり』(尾崎愕堂翁五訓の中より
B、競売に参加して、トラブッた人達・・・                        上↑
何故、入札前に、専門家の意見を聞かなかったのかと、悔やまれます。
(友人・知人から聞いたお話などなど・・です。)
Gさん ここをクリックしてください。
色々考えたのですが、残念ながら妙案が浮かびませんでした。
Fさん ここをクリックして下さい。
非常にお気の毒です。
Eさん 兎に角価格が安いので、舞い上がってしまいました。
競売は安い、と聞いていましたが、相場の5分の1以下の価格です。
開札期日にいくと、その物件に入札したのは、Eさんだけでした。
不安になって、裁判所の競売係りに行きました。
コピーした資料を見せて、物件のことを聞きました。
持分4分の1の売買でした。
初めての経験のEさんには、持分売買の意味が分りませんでした。
涙をのんで、保証金をすてました。
Dさん 4M道路の奥の家を落札しました。空家でした。
古いので、建替えるつもりでした。
結構安く買えたので、もうウキウキです。
代金を払い、いよいよ自分のものです。
地元工務店を呼んで、打ち合わせをしました。
その時はじめて、その道路が建築基準法上の道路でない事を知らされました。
裁判所の資料には、道路、とのみ記載さてれいました。
新築は出来ませんでした。改築です。
あてにしていた融資も、大幅に額が減りました。
Cさん 空家のマンションを落札しました。
家財がソックリ残置されていました。
さすがに、仏壇のなかの位牌はありませんでしたが。
古道具屋さんをよんで、全部売ってしまいました。
1年近く経ったある日、弁護士から内容証明がきました。
家財に対する損害賠償請求の内容でした。
Bさん 古い建物が敷地の手前に建っていました。
倉庫に使われているようです。
全く気になりませんでした。
裁判所が売るのですから、消費者に迷惑になる事はしないと思っていま した。
落札しました。代金を払いました。
その後の交渉で、その建物は、簡単には撤去できないと、分りました。
物件明細書には、こう記載されていました。
「件外建物(家屋番号00番)の為に法定地上権が成立する」
その意味は全く分らず、気にもとめなかったそうです。
予定外の、結構多額の出費をしてしまいました。
Aさん 賃借人のいる店舗を落札しました。
家賃が高いので、高利回りだ、と判断しました。
他にも入札者がいましたので、まあ、心配はないと思いました。
代金を払って、契約を更新しました。
処が、早速賃料は滞り始めました。
賃借人は、債務者の親戚が別会社をつくって、借りていたのでした。
あてにしていた家賃は入ってこず、随分苦労したそうです。
競売での事故は、交通標語と似ているナー、とつくづく思ってしまいます。
「注意1秒、ケガ一生」
「右を見て、左を見ての安全確認」
競売物件は、エンドユーザーの方には、次の三つに大きく分類されます。
「ほぼ、安全なもの」、「危険なもの」、「安全か危険か不明なもの」です。
これらの見極めは、経験がないと、なかなか困難です。
運良く「ほぼ、安全なもの」を落札して、何事もなかった人もいます。
でも、交通事故に遭った人の100人が100人、自分が遭うとは、思っていないようです。

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